津田沼IVFクリニック院長のブログ

有益な情報のご提供を心がけています!

インスリン抵抗性について

インスリン抵抗性について



・・・はじめに・・・


  インスリンって何?


 インスリンは、お腹がすいているときもお腹がいっぱいな時も、血液中の糖を一定の範囲に保つ働きをするホルモンです。
 インスリンにはその他にもたくさんの働きがあって、女性の卵巣の中では男性ホルモンの産生を増加します



  インスリン抵抗性って何?

 十分なインスリンが分泌されているにも関わらず、血液中の糖を一定の範囲に保つ働きができない状態をいいます。その結果、体はインスリンが不足していると勘違いして、インスリンをもっと出そうとするために高インスリン血症を呈します


 つまり、インスリン抵抗性の女性では高インスリン血症となり、卵巣内の男性ホルモン産生が増加します。このことが、卵子の質を低下させたり、排卵しない閉鎖卵胞の増加が特徴である多嚢胞性卵巣症候群を呈することになります。



  インスリン抵抗性の検査方法は?


 幾つかの検査方法がありますが、津田沼IVFクリニックでは次の2つの方法で検査を行っています。


1.HOMA-Rthe homeostasis model assessment of insulin resistance


  HOMA-R=空腹時インスリン値×空腹時血糖値÷405


 1回の空腹時採血のみで算出が可能な簡便な検査です。1.6以下であれば正常、2.5以上であればインスリン抵抗性が存在すると考えます。

 インスリン分泌が保たれている状態においての使用が適当で、空腹時血糖140mg/dL以下の場合に用いることができます



2.経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test : OGTT)


 早朝空腹時に、75gのブドウ糖が含まれている甘い炭酸水を飲みます。服用前と、服用後60120分に、それぞれ血糖値および血中インスリン値を測定します。


糖尿病の方や胃切除歴・肝障害のある方には用いられません。


高度肥満
月経不順
採卵で卵子の質が悪い

などの方には検査をお勧めします。